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歯は白いほうが美しいといわれる現代とは違い、古代の日本では、歯を黒く染めるお歯黒と呼ばれる化粧法がとられていました。成人の証、既婚者の証として親しまれてきたお歯黒は、明治時代に入ってからは、見た目に野蛮だとされ、徐々にすたれていきました。一見、グロテスクなお歯黒ですが、お歯黒をした人骨はムシ歯になったものが少ないことから、ムシ歯予防に役立っていたのではないかといわれています。お歯黒は、「かねみず」と呼ばれる酢酸鉄を含んだ溶液と、「ふしこ」と呼ばれるタンニンを含む粉から作られています。歯のエナメル質を酸に溶けにくくし、腐敗から歯のタンパク質を守る性質をもっているため、お歯黒を歯に塗ることで、歯が保護されていたというわけです。また、お歯黒をきれいに黒々と塗るためには、歯のお手入れも欠かせません。週に数回塗り直していたため、歯の手入れに気を配る習慣ができあがっていったようです。手間をかけて歯を美しく見せようとするお歯黒の習慣は、現代のオーラルケアに通じるものがあるようです。
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